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Diary : めんたいミュージックの思ひ出

最近は開拓意欲も薄れ、昔聞いた音楽を繰り返し聴くことが多い。特に大学時代を過ごした福岡で触れたものは未だにちょいちょいほじくっては聴いてい る。一人暮らしして自由にいろんなとこに行けるようになった開放感と日陰の精神がマッチしてローカルのライブハウスとかにもよく足を運んでた。大学で学ん だことよりこういうことの方が現在への影響も強い気がする(なんか尾崎豊の歌詞みたいやね)。

というわけで当時のライブ映像とかあればペタペタ貼っていこうと思ってたんだけど探してみても10数年前の福岡ローカルの映像はyoutubeとかにもほとんど残ってないんだな…。なので当時触れた人たちの最近の映像からちょいとセレクトしてみた。

一番当時の映像見たかったのはこのバンド。シンプルな構成で怪しく小気味良い音を鳴らす3人組、だったんだけどその後2人組になってまた3人になっ て結局現在の状況はよくわからん。喪服のベーシストがいる時代が一番好きだったな。生きてるかな。福岡ではアンダーグランドとメジャーの中間くらいにいて たまにCMとかにも使われてたから知ってる人も多いはず。全体的に「マルサの女」のBGMっぽい曲が多い。昔はナンバーガールあたりとも対バンしてたらし い。

次のやつは1年くらい前まで活動してたけど解散しちゃったバンド。ソロのライブも何度か見てるけどこの映像みたいにハミチンマークでおなじみの某イベントで演奏する姿はもう見れないんだな。というよりこのマークまだ使ってんのかな。ベースは山本精一率いる羅針盤などでも弾いてた某氏。ボーカル某氏の書いた記事を読んでると色んな懐かしい単語に触れられる。ひとりのミュージシャンの半生としても面白いので暇があればどうぞ。

http://www.jetsetrecords.net/column/mishio/2013-08-09

こちらは弾き語りスタイル。博多のニールヤングと呼ばれることもあったとかなかったとか。たまに音源出てるみたいだけど大手の流通に乗らないから入手できず。ずっと「うた」の人なんだなぁと思う。たまにバンドでもやってるけど弾き語りがやっぱりいい。

そしてすっかり息子の方が天才絵描き少年的に全国で有名になっちゃった某氏率いるバンド(この映像は東京遠征用編成)。昔よくライブハウスの隅っこのソファとかにいたあの子があんなになっちゃうなんてね。似顔絵でも描いてもらえばよかったな(モンドくんという名前で活躍してます)。で、この親父さんの方は福岡の音楽シーンの中心人物で(メジャーな中心というよりすみっこの中心?)彼が主催するイベントのおかげ地元以外にも全国から集まった日陰の音楽に触れることができた。別に直接の面識はないけど感謝。

もはや福岡関係ないけどこの人のソロを見たのもそういうイベントが最初だったな。たま時代のほんとに終わりの終わりくらいに興味を持ったんだけどすぐ解散してしまって大分にいた自分に届く情報なんて皆無で、福岡に移住し、忘れた頃に生で見てやっぱすげぇいいな、と思った。

きっと名古屋にも色んな音楽シーンがあるんだろうけど時間がなくて散策できてないしパンクっぽいのとかが多い印象あるから今後も機会があれば何か覗いてみる程度になると思う。でもやっぱひとりきりでステージに立つ人を見るのは好きだなぁ。以上。おはよう。

Diary : 吉田さんか安田さんへ

ドキュメンタリーとはなんぞや、と考えてみる。一般的なイメージとしては何かしらの事実に迫った記録、みたいな認識だろうか?映画やTV番組、そし て写真でもひとつのジャンルとして確立している表現手法だけど、いろいろ調べていくとその境界線はすごくおぼろげ。まぁジャンル分けなんて大抵そういうも んだけど報道やドラマとの線引きすらもすごく難しいと思う。それはあらゆる表現において作者の主観をなくすことはできないから。何かしらの意図が介入する かぎり、完全に客観的な事実というものを表現することはできない。なんて考えてると報道もドキュメンタリーと言えるしドキュメンタリーはドラマだと言えな くもない。ドキュメンタリー作家の森達也(オウムの映画とか撮った人)もよく「ドキュメンタリーは嘘をつく」とか「すべてのドキュメンタリーはフェイク だ」的な言い方もしてる。以前何かのトークショーで彼が語ってた話では、オウム真理教の施設で“尊師専用”とマジックで書かれたシャンプーボトルを夢中に なって撮影している際に「あぁこれ、すごく主観的な記録だな」みたいなことを気づいてハッとしたらしい。

で、何が言いたいかというと写真に おいても「ありのままの日常の良さを…」みたいなこと言っても結局は恣意的なものですよ、ってこと。つまり事実とか真実みたいなものも立場や解釈によって 全然ことなりますよ。名探偵コナン君の言ってる「真実はいつもひとつ!(ビシッ)」は胡散臭いかもよ、ってこと。そういう前提で考えると「そんなひねくれ た視点で物事を見やがって!」みたいな意見も万人にあてはまるんじゃないか、と。そんなこんなで自分を正当化しています。演出はしない、公共の場で撮るこ との意味ってそういう視点の面白さとか独自性が一番試されるから魅力的なんだろな、と思ってる。みんな違って、みんな良い。もしくはみんな悪い。一人ひと りがメディア。マクルーハンの理論を代入すると一人ひとりがメッセージ。アイアムメッセージ。そしてユートゥー。

ド キュメンタリーじゃなくてもなんでも良かったんだけど、ストリートというくくりのものよりもドキュメンタリーとくくられてるものの方がそういう面白さが出 てるなぁ、と最近思ったのでこういう出だしにしてみました。きっかけのひとつはJurgen Nefzgerの写真集「Fluffy Clouds」を買ったこと。表現としてはすごくシンプルで「原発の見える場所」を集めただけ。でもそこに写ってる近景と遠景の対比が面白いんよね。向こ うでモクモク煙でてる手前でゴルフしてるおっさんたちがワイワイしてたりね。こういうのも事象そのものじゃなくて引いた視点で見てこその面白さよね。 チャップリンの言う「人生はクローズアップで見れば悲劇だけど、ロングショットで見れば喜劇だ」みたいなもんやね。逆も然りだけど。なのでこういう作品 もっと見たいです。Alexander Gronskyもそういう視点に近いよね。誰か他におすすめあれば教えて下さい。今探してるのはZhang Kechunって人のYellow Riverっていう写真集。よくコンペとかでも入賞してて本にもなってるはずだけどネット上ではだいたい売り切れっぽい。日本では書店にも並んでないのか な。

以前はよくドキュメンタリー映画とか観てたんだけど最近かなりご無沙汰で…。なので気分転換も兼ねて昨夜の仕事の合間に一本観てきた。 しばらく前に水面下でちょっとした噂になっていた「BiSキャノンボール」という作品を。簡単に言うとBiSっていうアイドルグループ(全裸PVつくった りコシノジュンコが加入したりとか無茶なことして話題づくりを試みる、アイドルビジネスの悪い意味での象徴的存在)の解散前後を追ったドキュメンタリーな んだけど6人のメンバーに密着するのが6人のAV監督というところがミソ。そして前身となる「テレクラキャノンボール」っていう作品と同様、女性と信頼関 係を築いてどこまでのことを成し遂げたかでポイントが加算されていく(最終到達点はハメ撮り)。ここまで聞くと最低にインモラルな企画だし散々バッシング もされてるけど自分はそれなりに楽しめた。意外と常識的に状況を捉える女の子たちと何か面白い結果に仕立て上げなくてはというメディア側(=視聴者の欲望 の権化)の攻防は現代社会の縮図を観ているようで興味深かったな。ネタバレしないように注意があったから結果は伏せるけど、表現に携わる人はこういう極端 な例も毛嫌いせずに見てみるといいと思う。

さっきモラルっていう言葉使ったけどこれもやっぱり絶対的なものじゃないんよね。文化のような大 きな単位ではもちろんだけど一人ひとりで異なるものだし。そういう前提で自分なりのモラルを醸成していかんとね、争いなんてなくならないよね。戦争反対と か叫ぶことよりその要因に迫らんといかんよね。こないだTVタックルでひろゆきが言ってたのもそういうことよね。ネット上で起こる犯罪を減らすにはネット を規制することではなく、モラルを育てることでしか解決しないのよね。ああだこうだ脱線しながら書いたけど大衆の幻想に惑わされずに自分はこういうのが良 いと思う、面白いと思う、ということを大切にしていきたいと思います。以上。おはよう。

※10年位前にかデスクトップの壁紙に使用していた画像。当時描いた四コママンガとかも出てきたのでそのうち公開予定!

Diary : 正しいエレクトリシティのしびれ方

最近毎日1回はこれを聞く。Captain BeefheartのElectricityって曲。バンドの15年か20年かのキャリアの中でもかな り初期の曲なんだけどこれが一番好き。いや、二番くらいかも。まぁ、好き。そもそもこのバンドのガシャガシャした感じが好きだから全体的に好き。何かメイ ンの楽器があってそれをサポートする感じで他のメンバーがあわせていくっていうよりそれぞれがグイグイ主張する感じが好き。ジャズとかでよくある形式的に ソロを回していく感じは嫌い。なんか予定調和感が強くて…。まぁそこにも様式美のようなものはあるんだろうけど。

この曲は(特にCDに入っ ているバージョンのやつは)ちょうど歩調に合うから歩くとき俺がエレクトリシティだ!感があって良い。ペラペラしたギターも、タムやシンバルの数が最小限 な感じのドラムも良い。ピンポイントな言い方だけどメインのリズム刻むときのハイハットがしっかりミュートされて次の音にいくもったり感も良い。陽気な ベースも良い。なぜか効果的に使われるテルミンも良い。隊長のリズムをあえて引き止めるようなボイスも良い。

で、いろいろ探ってると誰かがつくったリミックスバージョンを発見。ビートが人工的になっちゃうのは残念だけどこれはこれでいい。

そしてさらにソニックユースがカバーしてるバージョンも発見。ソニックユースにしてはけっこう原曲に忠実にカバーしてる感じじゃないだろうか。これはこれでいい。

でもそこじゃないんだ。今日ほんとうに言いたかったのはこっち↓

なんか…いいじゃないか。二回見た!こういう音楽は本来こうやって聞くもんなんだよ。「プッチョヘンザ!プッチョヘンザ!」とか言われてみんな一緒 にタオル振り回すようなもんじゃないんだよ。「おどれー!」とか言われて踊るようなのは音楽の力じゃないだろ。極め付けは「さわげー!」とかいう輩、ああ いうやつらは早く帰れ。

まぁこの映像ももちろん撮ることを多分に意識しながらやってるものだと思うけどあんまり人様に見せるような動きじゃ ないものをさらしてる感じがいいね。ついつい一人だとやっちゃう感ね。中高生とかが何かに目覚める瞬間はこうであってほしいね。青春じゃないか。「マイマ ザー、マジありがとう」とかじゃなく言葉にできない衝動があるって…素敵やん。俺は座って聴くけど。