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2月の鑑賞記録

2月は実際に短いっていうこともあるけど本当にあっという間だったなぁ…とか毎年思うけど今年も思った。諸々忙しくて映画も本も全然見れてない。飯食う合間にちょこちょこ見ながらとかだから1週間かけて1本の映画見たりとか。これはよくない鑑賞スタイルだなぁ。

■映画「ダンガル きっとつよくなる」@Netflix

お話的にはまぁスポ根系インド映画やね、っていうくらいでほどほどなんだけど、レスリングシーンが見てて面白かった。たまにインドで撮影された写真とかでも見るけど、インドレスリングってあのムチムチしたパンツ姿がなんともいえん面白さがあっていいよね。でもあれは男子だけか。女子レスももう少し見てみよう。

■映画「ターミナル」@Netflix

終わり方があまり好きじゃないけど、これは空港版フォレスト・ガンプやね。出てくる人たちがちょっとずつ仲間になっていく感じは、こういう映画特有の安心感あるね。

■映画「0.5ミリ」@Netflix

安藤サクラのいいところがギュッと詰まった一作。さすが姉貴が監督やるとうまく料理するね。けど3時間は長いな。やろうと思えば2時間にまとめられる内容だったと思う。後半は若干しりすぼみ感あったし。

■映画「世界でいちばん悲しいオーディション」@シネマスコーレ

以前ニコ生でざっくりは見てたオーディションだけど映画としてコンパクトにパッケージングしてて見やすかった。誰かのコメントでもあったけどたしかにSMに近いものがあるかもしれんね、プロデューサーとアイドル志望って。良くも悪くも社会の縮図があった気がする。でも世界で一番は言い過ぎ感ある。ネーミングとしてちょっと外してると思う。撮影陣の某おじさん方の存在感が薄かったのは良かったのか悪かったのか…。

■アニメ「Serial Experiments Lain」@Amazon Prime Video

誰かのツイートか何かで見て気になったので。もう20年も前のアニメだけど…かなり時代を先読みしててすごいね。好きな世界観ではあるけど後味は決して良くない。終わり方もあまりピンとこない。でもクロスメディアで展開してコアなファンが一定数いるのもわかる。

というわけで最後の1曲はCHAIの「アイム・ミー」です。歌詞では大したこと言ってないけどサウンド全体が時代の匂いをプンプンさせる感じで好き。あと、CHAIの曲ってちょいちょい切ない感じがしてそこもいい。そういう狙いではないのかもしれんけど。

 
 

1月の鑑賞記録

↑年始スナップ

あけおめっす。どんどん写真撮らなくなってるけど生きてるよ。で、年始はいきなり東京行ってきました。こないだ行った気がするけど今度は妻と。新大久保に宿をとって。チーズドッグ食ったり。ネパールカレー食べたり。なんたらかんたら。以下、しばらく東京での鑑賞記録です。

■美術展「バッドアート美術館展」@Gallery AaMo

なんとなく噂に聞いてたやつ。一点一点は味があっていいんだけどキャプションとかしりあがり寿のイラストが作品を茶化してるみたいでよくなかった。もっとマジな感じに見せてくれたほうがいいよバカ。

■映画「ぼけますから、よろしくお願いします」@ポレポレ東中野

老老介護?と呼べるのかわからんけど老夫婦の険しい日常の記録。人生って、生きるって大変なことやね。田舎とか都会とか親とかそういう自分の背後にあるものがねっとりこびりついてくる良作でした。

■お笑い「新春寄席2019 #1」@ルミネtheよしもと

なんとなくノリでよしもとへ。意外とトレンディエンジェルが一番面白かった。完全に見くびってた。初詣と発毛をかける掴みからよかった。その他知ってる人知らない人いっぱい見た。チャドマレーンがんばれ。

■写真展「マイケル・ケンナ A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018」@東京都写真美術館

なんか発見があるかも、と思ったけどあまり自分には響かなかった。きれいとかそういう形容詞以上のことがあまり出てこんかった。あと、見間違いかもしれんけどマイケル本人も来てた気がした。

■写真展「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15」@東京都写真美術館

よく名前を耳にするナウいメンツの展示。なんとなくみんな抽象度が高い気がした。もっとじっくり説明とか聞きたい、って思って出た後でテキストの紙もらい忘れてたことに気づいた。

■美術展「かわいい浮世絵 おかしな浮世絵」@太田記念美術館

面白かった。浮世絵って全然興味なかったけどこういうユーモラスなもんなんやね。歴史的な作品って厳格なイメージあるけど昔の人の遊び心に触れられるのはいいね。俺もそのうち浮世絵かこう。

////////////// 東京ここまで //////////////

■ドキュメンタリー「ドキュメント72時間 2018 年末スペシャル」@テレビ録画

年末に録画したやつを年始に。年間のランキングなのでほぼ見たやつばかりだったが面白かった。この形式で外国の各所をピックアップしたやつを見てみたいと思った。日本に興味を持った外国人にも、へんなコテコテの文化紹介するよりもコレ見せた方が色々発見があると思う。

■バラエティー番組「家、ついて行ってイイですか?~平成最後の大晦日…何してた?生放送SP~」@テレビ録画

見れるときは見てる番組。もちろん色々選別してるんだろうけど一人ひとりがちょっとしたドラマ持ってるもんやねぇ。

■バラエティー番組「絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!」@テレビ録画

一応毎年さらっと見てるけどもういいかな、って気がした。

■映画「ROMA ローマ」@Netflix

なんかすごい話題になってたので見てみたらよかった。トゥモローワールドと同じ監督なんやね。カメラワークにこだわりがありそうで、今作もそこが一番よかった。定点とか平行移動だからこそ見えてくる人物のドラマとか説得力みたいなのってあると思うんよね。たぶん写真もそうだけど自分が人間をじっと見ていたくなる距離感ってのがこのくらいなんだと思う。そろそろゼログラビティも見んと。

■映画「全身小説家」@ニコニコ動画

以前から見たかったやつ。監督のコメンタリーつきで。でもコメント聞いてるとやっぱり作品の中には入っていけん気がするわ。へぇ〜っていう鑑賞スタイルになっちゃう。

■映画「DRIVE」@Netflix

あまり覚えてないけど他の映画で見たいろいろをくっつけました、みたいな作品だった気がする。既視感があるわりに印象にはあまり残ってない。

■映画「バードボックス」@Netflix

賛否いろいろ話題になってたやつ。たしかに見えないことの恐怖とかあると思うけどもうちょっと具体性がないとピンとこない。

■ライブ「双葉双一」@大須モノコト

10年ぶりくらいに見た。崎山くんの歌きいたときに双葉双一感あるな、って思ったけどやっぱりこの人はこの人で別世界の住人だった。今年はリリースもあるそうな。いまだに聞くのは2ndとか4thがほとんどだけど。昔は大江健三郎の小説の一説にメロディをつけたてらしい。

■映画「猟奇的な彼女」@Netflix

なぜいま、と言われても理由はなく、理由いらずで見れそうだったから。まぁこういう感じね、というくらい。終わり方とか後半の感じは好きくない。

■映画「聖の青春」@Netflix

映画としてはまぁまぁ面白かったが太ったり痩せたりの松ケンの体が心配になった。宮本から君へではガリガリで柳沢慎吾みたいになってたのに…。時系列としてはこの映画の方が先か。羽生さん?強いよね。

ということでさらっと1月は終わり、仕事の忙しさがずっとピークで辛いです。最後はceroでも貼っときます。実は最近はじめてちゃんと聞いたんだけど、こんなにフィッシュマンズ臭強いバンドだったんだな。この曲なんかちょっとしたスキマに合いの手でナイトクルージーン♪って挟みたくなるね。ならんか。

 
 

12月の鑑賞記録

12月はあっというまだったな…バタバタしてる間に年越してた。

■映画「シングストリート」

ネトフリで鑑賞。さえないやつらのバンドやろうぜストーリーはそれだけでもう尊いんだけど、これはちょっと大筋が順調に行きすぎ感あったかな。もっと先が気になるような展開が欲しかった。とはいえ終わり方は意外だったけどポカーンとした。

■映画「そうして私たちはプールに金魚を、」

vimeoでただで見れる映画。サンダンス系らしいけどメジャーなPVを長尺で見せられているような感覚だったかな。なんか見たことある人多いと思ったらNDGのメンバーがいろいろ出てたのね。テンポはいいから見ていてあきないけどあまり残らない。

■映画「DENKI GROOVE THE MOVIE? ~石野卓球とピエール瀧~」

アマプラで鑑賞。人生時代から彼らの歴史を振り返れるドキュメンタリー映画。別に熱烈なファンとかではないのでふーん、という感じだった。フジロックとかWIREをあらためて振り返れたのはよかった。

■エッセイ「感性は感動しない/椹木野衣」

期待してたけどさらっとして何も残らなかった。美術的な話はけっこう少ないし、あんまり共感できないし。彼のちゃんとした批評文から入った方がいいのかも。代表作らしい「日本・現代・美術」に手をつけたみるか…。

■お笑い「M-1グランプリ 2018」

個人的にはスタイルを貫こうとするジャルジャルを推したい。でも見たことあるネタだったので新鮮さは感じなかった。かまいたちも安定して面白いね。あとの人たちは…あんまり印象残ってない。

■お笑い「ドキュメンタル シーズン6」

今回は歴代のなかでも最低だった気がする。みんな消極的だしゆりやんはがんばってたけど勢いだけで面白くないし…友近はさすが、って感じはあったけど…。もうこの形式はオワコンなのか…人選次第でもっとよくなるとは思うのだが…。

■映画「ホットガールズ・ウォンテッド」

AV女優の本音的なものとして期待してたけど薄っぺらかった。ハマジム作品の方が断然いい。全然違う世界のものだけど。

■漫画「夏が止まらない」

以前からWebで見てたから気になってたけど、だいたい面白いのはWebで見たやつだった。

■映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」

地味だけどよかった。役所にたらい回しにされるイライラといったらもう…でもみんなこういう感じだよなぁ、という妙なリアリティもあった。

■映画「極私的エロス 恋歌1974」

以前から見たかったやつがニコ生でやってたので。でも監督のオーディオコメンタリー付きだったからプレーンな鑑賞体験にはならんかったかな。とはいえ監督の解説がないとよくわからんまま進んでよくわからんまま終わっちゃいそう。とりあえず主役の武田美由紀の喋り方がよかった。なんとかかんとかじゃないかよぉ!だからよぉ!みたいな。

■映画「ボヘミアン・ラプソディ」

噂の号泣映画。近所の映画館で見てきた。涙は一滴も出んかったけどバンドものはやはり映画向きやね。クライマックスで音楽を最大限活用できるから。2時間強の上映時間のうち4回くらい「エロム街の悪夢 もっと腰をフレディ」のことを思い出した。

■恋愛リアリティーショー「ラブアース シーズン2」

例のお蔵入り系番組のシーズン2。相変わらず恋愛要素薄めでめんどくさい奴観察バラエティーと化している。でもシーズン1ほどのはちゃめちゃ感はなかったかな。そして本家のあいのりがいまあんな感じだからそこでも負けてる。

■雑誌「STUDIO VOICE いまアジアから生まれる音楽」

SVはやっぱ復刊後の方がいいな。テーマがしっくりくる。ただし今回のは固有名詞多すぎてさくっとしか読めんかったわ。でもアジアってやっぱ(いい意味で)胡散臭くていいね。自分たちと同じような顔しても文化はそれぞれだし、日本人じゃないアジア人がやってるのを見ることでちょっと距離を置いて客観的にアジアを見れる気がする。数カ所だけど外国の町を歩くようになって色んな点がつながってきた気がする。パラレルワールドが実はパラレルじゃなかったっていうか。引き続きアジアの特にSSWは追っかけたい。

■映画「エクス・マキナ」

なんか終わり方がしっくりこんかったけど概ね好きだった。AIとの交流はいいんだけどもっと大きな広がりみたいなのが欲しかったな。

■雑誌「IMA vol.26」

特集は身体性。テキストからはそんなにぐっとくる情報は得られんかったけど身体性を生かしたポートレートとかは面白いな、って思う。自分もポートレートとか撮る機会があったら表情とかより肉体と空間とかの関係を撮りたい。

■映画「さようならコダクローム」

話はシンプルでわかりやすいんだけどパッとしなかったなぁ…。自分、デジタル世代っすから。

 
 
 

ところで1月にその他の短編ズが名古屋に来るらしい。見てみたいな。(追記:行けませんでした)

11月の鑑賞記録

たまに知らない中学の合唱コンクールの映像とか見ます。

いろいろ忙しくなってきたのであまりじっくり見たり読んだりする時間がとれなくなってきたんだけど、東京二日半の弾丸鑑賞巡りのせいで11月全体としては結構なボリュームに見えると思う。思いつきだったけど行ってよかった。

■トークショー動画「津田大介×ばるぼら×さやわか『あなたが日本のインターネット史について知っていることはすべて間違いである』」

ちょっと前にばるぼら×さやわか氏の共著「僕たちのインターネット史」を買ってたんだけどまだ未読で、まずは関連トークのこれを見れば本も読む気になるかな、と思って見てみたけど半分くらいは知らない文化の話だった…。まぁここでは固有名詞はそこまで大事じゃないのかもしれんけど。わからんくても文脈笑いできるような流れだし。とりあえず津田大介氏が意外と親しみやすい感じの人だと知れてよかった。本はそのうち読む。たぶん。あらためて自分のインターネット史を振り返ろうとしたけどごく一般のそれでしかなかった。浅さが甚だしい。浅みが深い。

■映画「アメリカン・スリープオーバー」

非常にのっそりした映画だけど嫌いじゃない。みんなキラキラしてた。ただアメリカンカルチャーに対する理解や知識がそもそもないから、このスリープオーバーのイベント文化自体がよくわからんかった。

■ドラマ「グッド・プレイス シーズン2」

シーズン1の終盤で見えてきた設定の延長でそのままさらにバタバタする感じ。もうここまでくるとメインキャスト6名が愛おしくてたまらんな。いいもわるいも含めて人間を肯定したくなる流れ。いいね。ちなみにあんまり本筋と関係ないけどアメリカのこういうドラマってめっちゃ固有名詞でてくるよね。誰々のあの映画での演技は本当になんたらだ!みたいな。ほとんどわからんけどアメリカ人にはお馴染みの名前が出てきてんのかな。そして日本のドラマにはそういうのがあんまりないのは文化のせい?役者とか事務所とかの権利とかビジネスモデルのせい?

■トークショー動画「磯部涼×Kダブシャイン×吉田雅史『ヒップホップは何を変えてきたのか』」

例のゲンロンカフェトークショーのやつだけど…ヒップホップ系では前回見たダースレイダーのやつの方が整理された感じでビギナーな自分にはよかったかな。ルーツを知っていることがHIP HOPの条件のひとつ、という説は面白い定義だと思った。他の文化にも必要な要素な気がする。ひきつづき文化としてウォッチしていく。

■美術展&トーク「横野明日香/組み合わせ」@see saw gallery + habit

たまたま数日前に開催を知って行ってみた展示&トーク。やはりすでに在るものを撮る写真家とゼロから書いていく画家はスタンスが違うもんやね。この方はあまりガチガチにコンセプト固めて描くタイプではないようだけど写真にはない「描くプロセス」とかの話は興味深い。書道みたいに描き順を取り入れたりとかね。絵自体もいわゆる技術が印象に残るようなタイプではなく、人工物と自然を抽象と具象の間で曖昧に描くようなのは好き。あわよくばもっと深く話聞いてみたかったけどアウェイな空気だったのでトーク終わってすぐ去った。アイウェイウェイ!

■映画「テラー / (T)ERROR」

FBIとかテロリスト予備軍のおとり捜査がどうのこうの、みたいなドキュメンタリーだけどなんか頭に話が入ってこんかった。終盤ようやく色々繋がってきた気がするけど盛り上がらんまま終わってしまった。

■人文書?「サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福」

上巻読んでからだいぶ経ってしまったけどようやく下巻読んだ。あいかわらずスケールがでけー。上下巻あわせて人間の全部。ほんとに全部。でも上巻もそうだったけど興味を持てる(スラスラ理解できる)部分とそうでない部分のむらが結構ある。進化・革命にまつわる新しい仕組みとかがスッと入ってくるときはすごく充実感あるしワクワクする。たぶん何度か読み返すともっと知識も定着するんだろうけど二度目はないだろうな。あの説はおかしい!とかネットで反論を目にすることも多いけど、悔しいことに自分の知識ではまだそれをちゃんと判断できん。できれば高校生くらいのときに出会いたかった本。続編のホモ・デウスも気になるからそのうち読んでみようかな。

■映画「ロングショット」

冤罪にまつわるドキュメンタリー。尺も短いし内容も薄い。冤罪こわいね、っていうだけの話。

■映画「ミスターノーバディ」

最後がほんと消化不良なんだけど…全体的なパラレルワールドを行き来する感じは好き。安直な演出だけど人生って尊いな、って思わせてくれる。あえていろんな解釈ができるようにモヤっと終わらせるようにしてるんかな。尺も長いからうまくまとめて欲しかったな。とはいえいい映画です。トゥルーマン・ショー的な箱庭世界感も好き。

■映画「インセプション」

夢の中でさらに夢を見て、とかSFとしての世界観は好きなんだけど…なんとなく入り込めなかったかな。主人公と奥さんのやりとりが共感しづらい感じだったからかな。もったいないなー。


*ここからは急遽東京に行くことになって鑑賞三昧な二日半の記録です。馬喰町付近に宿を取り行動しました。このあたりの街並みは新しくてカクカクしててどっちを向いても一緒な感じで迷う。でもこれが非常に東京っぽいような気もして好き。まずは1日目。

■美術展「絵と、  vol.4 千葉正也」@gallery αM

一発目は宿に近かったαMから。何かしら引いた視点からやろうとしているのはわかるんだけど、それ以上に引き込まれる感じはしなかったな。たぶんこちらの見方も浅いんだろうけど…うーん…木の上…うーん…。で、後日ネットに上がってたトークショー動画を見てみたけど…うーん…少しは見方が広がったけど…うーん。作家と絵画の関係を逆転した感じで…うーん…。

■美術展「マルセル・デュシャンと日本美術」@東京国立博物館

続いて上野に移動してデュシャン&日本のなんたら展へ。東博には東京に住んでた頃に来たことあった気がするけどすげぇ厳かな場所やね。おそらくグッと心を動かされることはないだろうと思いつつ、記念鑑賞的なつもりだったんだけど、概ねその感じだった。デュシャンについては以前本でもざっと読んでたので概要は理解してたし、それを物理的に見る機会だったって感じかな。レディメイドよりもキュビズム的な表現の方が生で見る良さはあったように思う。大ガラスとか見て感動する人はするんかな…《泉》については例の!有名な!的な嬉しさはあったけどね。そしてデュシャンを日本の美術に連結させようとする感じは噂通りちょっと強引すぎると感じた。蛇足。悪名高いお笑い芸人の大喜利オーディオは聞かず。

■美術展「ムンク展―共鳴する魂の叫び」@東京都美術館

上野に来たついでになんか見ようと思ってお隣のムンク展へ。ちゃんと見たことなかったので「叫び」くらいしか知らんかったけど全体的に良かった。とりあえずペーソス漂う感じが好きなんだと思う。セルフポートレートが多いところとか、あと同じようなモチーフを描き続けるところにも惹かれる。シンプルな構図ばかりだけど手前下方に目線ありの人物を配置しがちなところとかね。背景談的にも失恋とか家族の死とかそういう一般的なものだからこそ普遍的な作品になるんかな。接吻シリーズが特に良かったし全体的にまた振り返ろうと思い図録を買ってしまった。

■ライブ「豊田道倫ソロライブ『パラガ越え』」@八丁堀七針

そして八丁堀の七針へ。ここもだいぶ前に来た気がするから多分2回目。なんとなく博多のアートスペーステトラを思い出す。なぜか知らんが。川が近いからか。会場が狭いからか。で、新作(名義はパラガ)を中心にライブは展開。個人的には新アルバムの中心歌的な「居酒屋たよこ」が聞けてよかった。とても優しい歌。「居酒屋たよこ、君が飲み屋をやるなら、僕はカウンターの端にいる、よくいる謎の親父になろう」とか素敵よね。なんで彼の歌はこんなに人生を感じさせるんやろうね。歌詞に”お茶”と”パン”がよく出てくるからかな。なかなか男の歌には出て来んよね。別に事実だけを歌にしてるわけじゃない、って何かで聞いたけど。あの声が絶対的に人間臭いんやろうな。金曜日ということもあり、客の半数はスーツの男性。彼らが機械のように鳴らすアンコールのための拍手がシュールすぎて面白かった。「新興宗教みたいな拍手ありがとう」と再登場して懐かしいやつも何曲かやってくれた。満足。ただこの人のMCは非常に聞き取りづらい。声が小さいし滑舌が悪い。歌は聞き取りやすいのにね。

*ライブの後、ホテルに戻る過程で八丁堀近くのインド料理屋へ。近くの壁をゴキブリが歩いてて少し逃げた(俺が)。この後から2日目。

■美術展「カタストロフと美術のちから展」@森美術館

アートの存在意義みたいなことについてはずっとモヤモヤ考えてて、この展示が何かのヒントになるかな、って期待してた部分もあったけど別にそんなことはなかった。ただこうして作品群を見ていると、自分たちがいるのは紛れもなく「戦後」であり、「震災後」の世界なんだなって痛感させられる。カタストロフの積層の上に生きている。そういうモニュメント的な側面だけでも意味はあるんだろうな。ただそこに「アート」という言葉はいらない気がする。「取り組み」くらいのざっくりしたものの方がいい。アート界隈を無駄に聖域化しないために。特に災害復興とかの役割としては。今回の展示はそういう匂いがしたのはよくなかったと思う(アートスゲェだろ、的な)。風刺系の作品をはじめ色々面白い作品はあったんだけど特に印象深いのは「みんなでひもをひっぱって震災モニュメントみたいなのを立たせる」的なやつ。言葉での説明だけだと全然つまんなそうなんだけど、掛け声とかひっぱってる人たちの表情とかになんだかジーンときてしまった。横トリで見た「権力の象徴である銅像を重量挙げの選手が力を合わせて持ち上げる」作品にも似てて、肉体的な側面が加わることでグッときやすくなるんかな。今回は展示されてなかったけどチンポムの「気合い100連発」みたいなやつとかも好きだし。くだらないけどグッときちゃうんよ。あとホァン・ハイシンの皮肉っぽい絵も好きだった。蛭子さんの匂いがした。

■美術展「会田誠とChim↑Pomのカラス 」@森美術館

カタストロフ展の出口付近でやってたので。でも両者どちらの作品もネットか雑誌か何かで見てたので特に新しい発見はなかったかな。会田氏の方は、やっぱでかいと迫力あるな、くらいの感じ。

■漫画展?「藤子不二雄(A)展 -(A)の変コレクション- 」@六本木ヒルズ屋内展望台

ついでにカタストロフ展でたところでやってたこれにも行ってみた。追加チケットいらんかったし。まぁ、全体的に好きなんだけど急いでたのでちゃんと見れんかった、というのが正直なところ。ブラックユーモア短編集がたしか家にあったので読み返してみようかな。Fも好きだけどA派。この隣でカードキャプターさくら展もやっててめっちゃ並んでた。コアなファンが多いとは思ってたけど…尊い。

■イラスト展?「ウィスット・ポンニミット『Smile』」@六本木ヒルズA/Dギャラリー

これもたまたま通りがかったから入ってみたやつ。以前から作者や絵のタッチは知ってたけどこういう展示を見るのははじめてだった。ただ、感想としてはかわいいやつ、くらいの印象。日本の古いアニメの影響とかあるんだろうな。もっとタイへのアニメ文化の伝わり方とかと照らし合わせると面白くなりそう。ちなみにタイでは「一休さん」と呼ばれたことがある。向こうでもアニメ流行ってるんよね。

*この日初めての食事は六本木のインド料理屋へ。たまたま夏に東京に来たときと同じ店だった。近くでやってた東山魁夷展も気になってたけどめっちゃ混んでそうだったので断念。

■美術展「para nature」@EUKARYOTE

六本木からちょっと電車で移動して外苑前へ。ここは初めてくるギャラリー、そして初めて見る作家4人の展示だった。ネットで以前から見てたあべさんのブックも置いてあり、プリントのクオリティも良く、生で見るとやっぱいいな、って思った。畑山太志氏のペインティング作品も長時間眺めていたくなる魅力があった。「パラネイチャー」っていう概念についての捉え方とかは個人的にもすごく興味があったので夜のトークショーも行ってみたかったが都合が合わず断念。

■美術展「Hyper Land Scape KAZUKI UMEZAWA +TAKU OBATA 梅沢和木+小畑多丘」@ワタリウム美術館

そしてすぐ近くのワタリウムへ。梅ラボ氏の作品は以前から見てみたかったのでこの物量でじっくり体験できたのはよかった。アニメキャラのコラージュっていう印象がもちろん強いんだけど、その根底には震災のイメージやネットカルチャーの人間くささみたいなものが滲み出ててすごくよかった。「切ない」っていう言葉がよく似合う世界観だった。この10年くらいのあれやこれやがぶわっとね。一方もうひとりの小畑氏の作品の印象はすごく薄かった。この組み合わせで良かったのか?

■写真展「愛について アジアン・コンテンポラリー」@東京都写真美術館

次に恵比寿へ移動して久しぶりの都写美へ。当然「愛」がテーマなんだろうけど全体的に暗く寂しげな印象だったような…。どちらかというと写真的には愛の喪失によって愛を描かざるを得ないのだろうか…とかなんとか。あと須藤 絢乃はなんとなくカネコアヤノと相性良さそうだと思った。名前が同じだから、ってだけかもしれんけど。

■写真展「写真新世紀受賞作品展」@東京都写真美術館

これも一度は見ておきたかった公募の作品展。なるほど、って思わせてくれるやつもあれば、ああこういうのも選ばれるんだ、っていうのもありコンペの温度感が少しわかった。優秀賞以上のものはコンセプチュアルな側面がしっかりあるな、って思ったけど視覚的なインパクトはあまりなかったようにも思う。いわゆる現代アート的なアプローチに寄ってきてるのかな。それはそれで好きなんだけど。で、個人的に一番気になったのは佳作の肥後亮祐氏の映像作品。質問された回答者が「えー」とか「あー」とか言ってる瞬間だけを編集したもので、視線の泳ぎ方とか心ここに在らず=他の世界に行ってる感じが面白かった。選者のコメントにもあるようにちょっと数やバリエーション、展開があるともっと面白くなってたかな。

■美術展「ゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校 第4期生展覧会グループC『まさにそうであることの嚥下』」@ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ

これまた気になってたカオスラウンジの新芸術校の展示へ。スペースの都合もあってか少人数のグループになってるようで、今回は7人?の展示だった模様。グループ展としてのタイトルも掲げられてるけど全体的には個人的な制作の寄せ集め、という印象になっちゃってたかな。こういう活動やってる人たちはすごく好きだし応援したいけど、でもあの空間からはやっぱり「よくわからないことやってます」なオーラが強く出てる気がして、世の中にある「アート=わからない、それでOK」みたいな印象を後押ししてしまっているようにも感じた。でも説明って難しいよね…長めのテキストももらったけどじっくり読むような空間ではなかったし…。ということで作者の説明が聞けた作品がやっぱり印象強く残ってる。主にF・貴志氏のアーティスティックインカムと木村文香氏の福島の土を持ってくるやつかな。前者については説明聞いてもよくわからんかったが…。まぁ、自分もなんかやってみたくなる空間だった。もっと色んなグループのやつも見てみたい。そういえばパープルームも同時期にやってたな…いつかあっちも行きたい。

■美術展「馬嘉豪 個展『霾 PM2.5』」@TAV GALLERY

そしてグッと移動して阿佐ヶ谷へ。初めて行くギャラリーだったけどフレンドリーな空間だった(作者とギャラリーの方だったのかな?)。作品はどちらかというと重めなんだけど“メイドインチャイナのアメリカ兵人形”みたいなキャッチーな題材がわかりやすくてよかった。鼻炎だったのでPM2.5をイメージしたスモークとかはよくわからんかった。

■映画「入居」@高円寺アンノウンシアター

一駅だけ戻って高円寺へ。以前から気になってたお蔵入り映画が奇跡的に上映される、とのことで。で、1本目はその期待してたやつじゃなくて全然事前知識なかったやつ。まぁでも濃いドキュメンタリーやったなぁ。胸糞悪い系。ある女性が中心にいて現彼軍団とともに元彼をこらしめる、みたいなやつなんだけど、登場人物の誰一人として好きになれん不思議な作品。まぁそれを自覚してあえてバカみたいなハワイラブラブシーン入れたりしてるんだろうけど…。でも映画としては好き。もっと見たい。悔しい。そして座席狭すぎてケツ痛すぎ。

■映画「にゃっちゃんを取り戻す100の方法」@高円寺アンノウンシアター

ケツ痛いけど座り直して2本目。以前からタイトルは知ってたけどなんか問題があって上映できなくなってたやつ。これまた濃いドキュメンタリー。夫に不倫されてる妻が夫を奪還するためにいろいろ工夫してみたり嘆いたりする様子を最終的に夫が編集して映画にしたやつ。登場人物次第では成立せんかもしれんけどこの奥さんのなんか抜けてる感じのキャラでかろうじてバランス取れてたかな。あとはあれか、子どもがかわいすぎでギリギリ絵的に救われたか。あの子らには明るく元気に育って欲しいな。とりあえずこの監督(=夫)が一番悪いのは明確なんだけど、エンディングにみんなで恋ダンス踊ろうとか言い出したのはどっちなんだろう。インド映画みたいに踊って楽しくハッピーエンド!とはいかん流れだっただろさっきまで。ということで2本とも強烈なのが見れてよかった。

*恋ダンスを見た流れで2日目の夕食はそのまま高円寺のインド料理屋へ。ちょうど駅までの道中にあったので。余裕があったらこの日、藤原麻里奈の無駄づくり展に行きたかったけど全然余裕なかった。この次から3日目。

■美術展「アジアにめざめたら アートが変わる、世界が変わる 1960-1990 年代」@東京国立近代美術館

3日目の最初は竹橋の近美へ。これはもう作品多すぎて印象が散漫になっちゃってるんだけど面白いものもいろいろあった。いろいろありすぎてなんか語れない。「アジア」はちょっとざっくりすぎるよ…。ただほとんどの作品が社会問題を背景に作られていた点に切実さを感じた。逆にそういうのが絡んでないと歴史には残りにくいんだろうか…とかなんとか。フィリピンのゲイボーイダンサーの映像がなぜか一番印象に残っている。俯瞰してアジ美を見れるいい機会ではあるのでもう1〜2回ゆっくり見てみたい。たぶん無理だけど。

*近美で結構時間かかったのでここでランチタイム。神保町のインド料理屋に行った。有名店だったようで少し並んだ。バターチキンカレーはトマト感強めだった。

■写真展「西澤諭志『[普通]ふれあい・復興・発揚』@TAP GALLERY

午後はまた東の方へ移動。このあたりは初めてくるエリアだな。TAPも名前は以前から知ってたけどくるのは初めて。広くないとは思ってたけど完全に無人とは…途中1人来客がいたけどあとは自分だけだったのでじっくり堪能させてもらった。さて、作品については…簡単には語れない内容よね。おそらく意識的にだろうけど言葉的なものを誘発しようとしている写真群、そして展示構成だと感じた。ただ、ある程度作者が見ているビジョンがあるのであれば、もっとガイドとなる言葉が添えてあってもいいのでは、とも感じた。簡単なステイトメントはあったもののちょっと物足りず。別途対談音声がアップされていたのでそれも聞いたけどそのニュアンスをもっとこの空間に持ってきた欲しかったかな。とはいえ気になる。いいことだと思う。

■美術展?「鳴見テヨナ×高橋直宏×Three Delta Triangles 『出版記念』」@あをば荘

さらに電車で押上方面へ。これまた事前知識ないけどなんか気になる感じだったあをば荘へ向かった。親しみやすい感じの2人がゆるく案内してくれるゆるい空間だった。大きい本をつくる!以外には特にテーマ的なものはないらしい。最近行ったエジプトの世界観に引っ張られているとのことで、ムー的な匂いもした。よくわからんけどこういう活動もあっていいと思う。ピラミッドポストカード欲しかったけど買い忘れた。たまたま前日外苑前でグループ展を見た荒木美由氏が近辺で個展をやっていると案内されたが時間がなく割愛。いろんなものに穴を開ける姿を見てみたかった。

■写真展「千賀健史『The Suicide Boom』」@Reminders Photography Stronghold

あをば荘からは徒歩でRPSへ。ここもきてみたかった場所。スペースの一角ではワークショップを行っている最中で、主催の後藤氏ふくめワイワイやってて楽しそうだった。で、肝心の展示もすごくよかった。在廊中の本人にも伝えたけど、ちゃんと目的をもった展示をやろうとしてる、ってことが特に。アートとか写真とかそういうのをボカして「鑑賞者が自由に解釈を広げてもらえれば…」みたいなものが多いけど、やっぱそれって作者としてどうなの、って思っちゃうんよね。今回の目的としては…自殺に関する情報が様々なメディアを介してウィルスのように広がり、次の自殺を誘発する一因になってるってことを自覚してもらうこと、かな(個人的なざっくりまとめです)。そのために必要なデータや表現が空間全体に散りばめられていたと思う。確かに解釈の自由度は一見あまりないかもしれないけど、そもそも表現の自由と同じくらい鑑賞の自由もあるわけで。いろんな角度から議論ができるような材料はたくさん提示されていたと思う。作者なりに言葉にする、って大事だと思うよ。そんな学び。公式の展示レポートはこちら。

*結局2日半の東京滞在で4回飲食店に入る機会があった。そのうち4回がインド料理屋だった。こんな偶然ってあるものなんですね。東京からは以上です。


■ドラマ「結婚できない男」

なんかライトなやつ見ようと思って、以前からいい評判聞いてたこれを見てみた。まぁそんな伝説的なほどではないけどほのぼのした感じで見れるいいドラマだった。夏川結衣がいい演技してた。あと阿部寛を見て稲葉浩志(B’z)的な何かを感じた。

■映画「サバイバルファミリー」

こちらもライトなやつ見ようと思って。思ったよりサバイバルな感じだったけど気軽に楽しめた。

■映画「ラスベガスをやっつけろ」

こういう人種がいることは理解できるけど好きじゃない。作品としてもあまり好きにはなれんかった。モンティパイソン、って言われたらそうなんだけど、だったらモンティパイソン見るほうがいい。ジョニーデップは頑張ってたけど。

■映画「アメリカン・スナイパー」

クリントイーストウッドの実話ベース系映画。でも「15時17分、パリ行き」より全然いい。なんだろう、この差は。実話としてのベースがそもそもこっちの方が好みなんかな。主人公の悶々とした感じがよかった。よかったとか言っちゃいかんか。最終的には辛い人生として幕を下ろしちゃったな。

…という11月でございました。最後に、以前ツイッターにも貼ったけどかわいいPV置いて終わりにします。

 
 

10月の鑑賞記録

構想中シリーズ「1LDK(仮)」より

10月はあんまり遠出することなく、自宅かその近辺をウロウロしてることが多かった気がする。仕事も忙しくなってきたし、このままより内向的なキャラになっていきそう。で、もうこのブログ唯一の更新内容になっちゃった鑑賞記録だけど、先月まではカテゴリで並んでましたが、10月からは鑑賞順です。いつもより長めなのでちゃんと読む人はおらんと思うけど後々のことを考えると個人的に有用なメモになると思う。

■トークショー動画「田中功起 × 梅津庸一 × 黒瀬陽平 いま、日本現代美術に何が起こっているのか #2.5ーー個と集団から考える現代美術」

先月に引き続きゲンロンカフェの動画アーカイブから視聴。ピンポイントな例かもしれないがカオスラウンジやパープルームの思想や活動がうっすらわかってきた気がする。どちらも展示を見たことないからちゃんと見たいな。梅津氏はキャラも含めてもう少し多面的に知りたい。あと、色んなアーティスト名が出るたびに自分の無知を実感する。

■トークショー動画「梅津庸一 × 蔵屋美香 × 黒瀬陽平 × 齋藤恵汰『今、日本現代美術に何が起こっているのか―”ニューカマーアーティスト”から見る美術の地勢図』」

こないだ見たやつよりさらに1年前くらいのやつ。パープルームについては前回のやつでも聞いたからよいとして、あらためて渋家とか美術館の立場からの現代アートの見方が聞けたのはすごく面白かった。アートの目的?成果?をどう具体的に想定するか、という声とやってみなければわからない、だからいいんだという声がずっと平行線になってて、客観的に噛み合わないのも理解できるし、お互いの主張も理解できる。乱暴な言い方をすれば立場の違いとか価値観の違いになっちゃうのかな。作品の強度、ディテールのクオリティなどの話も非常に興味深かった。写真もそうだけどそこの勝負になっちゃうと、もうマッチョなスポーツになっちゃうんよね…自分が「上手い」という言葉に懐疑的なのものその辺が引っかかってるからだと思う。最後に質問されてた、絵画であるモチーフを描けば問題を内包したことになるのか、的な問いも鋭い。理詰めにするとつまんなくなっちゃうのはそういうことなのかな…。とりあえず一聴の価値ありトークでした。ちなみに今回のトークのきっかけになってた美術手帖のこの号はたまたま買ってたんだけど、読み返そうと思って探したら引っ越しの時に処分してたっぽい。

■ドラマ「マニアック」

Netflixの新作ドラマなんだけど、とっつきにくい、って評判も聞いてたけど…たしかになぁ。現実と空想的な世界を行き来するんだけど…あまりそこに必然性を感じないし…やりたい世界を詰め込んだ幕ノ内SFみたいな印象。だからといってその世界もしっくりこない…。同じSFでもブラックミラー見た方がまとまりがあっていいかな。ラストの旅に出る感じの終わり方は素敵だけどね。

■漫画「ちびしかくちゃん」

ちびまる子ちゃんのパラレルワールド的な胸糞悪い世界。しかくちゃんかわいそう…。でもさくらももこ的にはこういう方向も描きたかったんかな。コジコジとはまたちがうブラックさ。救われない。でもそういうのが読みたければ山田花子とか読んだ方がいい気がする。

■トークショー動画「ダースレイダー×吉田雅史+さやわか『フリースタイル・人称・コミュニティーーラップの言葉はどこから来て、どこに行くのか』」

先に言っとくとHIP HOP界隈の人は基本的に嫌いなんだけど、あくまでそれはあのチャラい感じとか不良っぽい感じが嫌いなだけで、文化自体には結構興味あるのよ。で、今回日本のHIP HOPを俯瞰できそうな内容だったのでこれを見てみました。結果、大満足です。ラップっていう表現形式とヒップホップっていう文化?伝統?思想?の距離感をめぐる話は、現代どこでも起きている文化の盛衰の話にも通ずるものがある。ライト層の流入によって変わっていくもの、とか、オーディエンスに評価を委ねることの危うさなんて、そのままネット時代の選挙制度の問題点にもつながるし。ダースレイダーはそれらをすごく冷静に分析してるなぁ。でも結局ROCKと同じように形骸化していってる、って側面もあるんだろうな。正統な権威、って必要なんかな…とかなんとか。新品の靴の箱の匂いにHIP HOPらしさがあるっていうJay Zの意見には笑った。

■トークショー動画「藤城嘘x蔵屋美香(絵と、vol.2@gallery αM)」

8月に見に行った展示のトークショー動画がyoutubeに上がってた。もともと自分は上手い下手とかいわゆる画力勝負の絵には興味ないし、彼の絵もそうではないことはわかってるんだけど、トークからは結局こういうモチーフを用いて描きました、っていう事実の裏にある真意はよくわからんかった。目的が整理されればされるほど、その表現が最適なの?っていう問いが浮き彫りになるっていうか…。難しいなぁ。

■トークショー動画「恋せよ乙女! パープルーム大学と梅津庸一の構想画『パープルーム大学開校式』梅津庸一、黒瀬陽平、上妻世海、齋藤恵汰、パープルーム予備校生」

これまたyoutubeにあがってたやつ。パープルームってほんとにつかみにくいなぁ…もうこのトークが噛み合わない感じがお家芸みたいになってる気がする。まぁそもそも展示見たことないからよくわかってないんだけど。とはいえこのメンツは気になる。今後もウォッチしたい方々。

■美術展「開館30周年記念 ザ・ベスト・セレクション」@名古屋市美術館

やっぱこういうオムニバスな構成は印象薄いなぁ。そういう企画だからしょうがないんだけど。戦時中の東山動物園にあった壁画はストーリーが面白くてよかった(戦時中は猛獣を飼えないから殺しちゃったんだけど代わりに壁画に猛獣描いた、みたいなやつ)。あと、少しだけ赤瀬川源平の作品も展示されてて、いまだに数年前のハイレッドセンター展行けなかったことを悔やむ。

■メッセージ?「ブレイクアンドリューの手紙」

ちょっとニッチな対象になるけどこれね。in-Publicっていうストリートフォトの老舗コレクティブのメンバー脱退事件の元になった「今月の1枚」について、撮影者の立場から脱退したニックターピンへのメッセージ。英文なんでざっくりしかわかってないけど、ここで言われているストリートフォトの定義?はこういう事件をきっかけにでも話し合われるべきことだと思う。写真ってなんだ、デジタルってなんだ、真実ってなんだ、的な。できれば日本語でお願いしますけれど。

■映画「8 mile」

空前の個人的HIP HOPブームを受けて鑑賞。でもヒットしたわりにパッとしない映画だった気がする。やっぱ基本的にこういう輩のノリは嫌いなんすわ。こういうラップってユーモアありそうで結局しょうもない言葉の羅列でしかないものが多い気がする。バトルより書かれたリリックを元にした音源を聞いた方がいいんかもな。

■雑誌「STUDIO VOICE ゆらぐエロ」

しばらく前の号だけど最近たまたま買ったので。テーマがテーマだけに全体的にとっつきやすかった。そして今っぽいさまざまな観点でエロを分析してて興味深かったな。でも、どのコラムとか対談読んでもエロってやっぱ実体ないよなぁ…って感じた。玉ねぎの皮的な感じでいつまでも中身に辿り着かないというか。そこがまた魅力なんだろうけど、全体を通してすごくもどかしさもあったな。最後に出演者のインタビュー載ってたけど、TRUE LOVEっていうドキュメンタリーAVの2作は面白いのでおすすめです。設定もキャラも奇跡みたいなバランスで成り立ってる。

■映画「あの頃、君を追いかけた」

台湾の大ヒット映画。なんていうか…ベタベタやなぁ。まぁ安心して見れるラブコメだけど…うん。ちなみに日本でも最近リメイクされてて、予告編見たらほんとにキャスト替えただけの翻訳版みたいな感じでした。これはいらん映画やろ。

■映画「ヤクザと憲法」

ヤクザの内側を撮ったドキュメンタリー映画(番組)。ドキュメンタリーには定評のある東海テレビ制作のやつです。おそらく多くの人も感じただろうけど、これってやってることは森達也のA、A2とまんま一緒やね。オウムかヤクザか。ただAの方がオウム信者の人間味みたいなものをもっと撮れてた気がするから、こっちのほうが「でも、結局ヤクザでしょ」ってイメージが残ってしまった。どちらかといえばおばちゃんキャラの方がいい味出してたな。とはいえ良作。グレーゾーンや境界って、被写体には最適やね。ちなみに、頻繁に登場してた21歳の少年はその後、問題起こして出て行って犯罪おこして捕まったとか…。

■トークショー動画「栗原一貴 − いかにして私はイグノーベル賞をとったか:異端の科学と批判性」

その名の通りイグノーベル賞を受賞した方の実績と受賞式の様子など。気軽に聞ける面白いトークだった。今回の受賞は、喋りがうるさい人にその発言をリアルタイムに録音して0.2秒遅れで返すことで発話を邪魔する、っていうプロダクトの発明だったんだけど、なんかコンセプチュアルアート的よね。なんだかんだで結局「美」とかにしか落とせないようなテクノロジー系メディアアートより皮肉とか利いてて面白い。たしかに深みは感じないけどこういうことやってる人は好きだなぁ。”無駄づくり”としてチープな発明品を発表しつづけている藤原麻里奈にもいつか受賞してほしい。

■小説「コンビニ人間」

先日読んだ雑誌に作者が出てたので興味を持ちまして。なんとなく設定とか展開が安部公房っぽいな、と思った。浅い解釈かもしれんけど。さくっと読めてまぁまぁ面白いんだけど、他の人が指摘してたように主人公の倫理観に一貫性がないようにも思った。

■ライブ「MOROHA / BiSH 東海サバイバル」@NAGOYA CLUB QUATTRO

本当は同日に別の場所でやってた山本精一を見に行こうと思ってたんだけど、たまたまこれやってるのをネットで見かけちゃったので。MOROHAは去年映画で見てから一度見て見たかったんだけど、やっぱあの声の存在感はすげぇな、って思った。ラップだけどヒップホップって感じはしないし、熱いパフォーマンスの割にはメタ視点の歌詞が多いから冷静な印象もあるし。好き嫌いはあると思うけど引き続き気になると思う。BiSHも映画とかをきっかけに動きを追ってたんだけど、後輩もいっぱいできて安定感出てきたな。ちょっとなんかのドラマが欲しいタイミングでもあるけど…新メンバーが入るイメージも湧かん。なんとなくリンリンに期待。

■トークショー動画「大澤真幸×吉川浩満×東浩紀 いま、人間とはなにか?―『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』刊行記念イベント」

まず、今回の主役である吉川氏が致命的にトークライブに向いてないと思う。話わかりにくいし誰かに意見されても簡単に同調して反論しないし…ニコ動のコメントもそういう姿勢を批判するものが多かったな。残念ながら著書に興味が湧きにくい…。なんとなく全体を通して、すごく少ないテーマについてずっと話してたような感じだし。なので実質今回は大澤氏、東氏が引っ張っててどうにか盛り上げてた感じだな。盛り上がってたシンギュラリティ説批判は面白かったけど。あとは…例示したいけど説明が難しいわ…なんか倫理観を育むバグ・葛藤的な話が興味深かった。とりあえずカントは読んどかんといかんのかな(ダジャレ)。

■映画「イカロス」

ロシアのドーピング問題を暴いた話題のドキュメンタリー映画。たしかに序盤のほのぼの感から国家ぐるみの隠蔽劇はすごい展開だけど、前評判ほど面白くは見れなかったな…。スポーツとかドーピングとかのテーマが自分にとってとっつきにくいのかな。ちゃかちゃか切り替わる映像が見入る姿勢を拒んでたようにも…。

■ドキュメンタリー番組「こころの時代~宗教・人生~ 『個』として生きる」

NHKで放送されたECDについてのドキュメンタリー。内容は基本的に著書の言葉を軸に進められるので大体既視感があったが(最近読んだばかりなので)、昔の映像見るとやはり長い歴史のあった人なんだな、と思う。それにしても植本さんとECDってほんと不思議な関係だなぁ。二人とも別の視点から生活を著書にしてるせいもあってか、すごく自分たちを客観視してて、それを読者が読んで…。リアリティーショー的なフィクション感というか。生活臭があるのに創造的というか。まぁ作家の家族とかは何かと題材にされやすいし、大体そういうもんなのかな。

■トークショー動画「加治屋健司×新藤淳×黒瀬陽平×梅沢和木×藤城噓『いま、日本現代美術に何が起こっているのか #2』」

序盤、新藤氏と加治屋氏のプレゼンは大きな現代美術の潮流の話をしていつつも、なんかとっつきにくいなぁという印象。でも黒瀬氏のああだこうだや、後半のカオスラウンジ勢が参加してからは、より等身大の話題でわかりやすくなってきた。日本現代美術に〜っていうテーマだけど、やっぱ背景には「海外を意識したアジアの1つの国としての」日本っていうのがあるんだよな。まぁそうなるわな。そして日本として震災とどう向き合うか…。でも今の自分からは震災って遠い話になってるなぁ…。一度くらいは被災地を訪れたいが。

■映画「SUNNY 永遠の仲間たち」

先日見た台湾の「あの頃、君を〜」的な現在と学生時代を回想する系のやつ。こっちは恋愛がテーマじゃないしポップな話だったから見やすかった。まぁ驚きはないけど安心して楽しめる感じ。何回か流れてた挿入歌の「愛のファンタジー」が印象的だった(元は別の映画の主題歌だけど)。広瀬すずとか出てる日本版は微妙な反応だけど…たぶん見ない。

■トークショー動画「さやわか×前島賢 − セカイ系は2010年代も生き残るか」

なんとなくテーマに興味を持って見てみると、登壇者のひとり、前島氏はあの真剣10代しゃべり場の1期生。当時結構見てたからなんとなくこの人も覚えてるぞ!まさかその後アニメやラノベの批評家になってたとは…。普段アニメを見ることはあんまりないんだけど、今回のセカイ系の系譜にあるエヴァ、ハルヒ、まどマギあたりはちょうど見てたので言ってることは主旨はだいたい理解できた。たしかにセカイ系という閉じた世界の住人にとってはコミュニケートを求められる社会は矛盾してるよね…。個と共同体のどちらを重んじるか、っていうデカイ話にも通ずるな…。ただ、この二人の組み合わせが良かったのかはちょっと疑問だったな。もっと前島氏がのびのびトークできる相手もいたのではないだろうか。さやわか氏の「残念」の概念は理解できるけどあまりしっくりはこなかった。

■トークショー動画「会田誠 × 東浩紀 司会:黒瀬陽平 『危険な闘い――あるいは現代アートの最前線』」

終始ベロンベロンな印象の会田氏。ちょっと本意がつかみきれんかった。煙に巻いてるところもあるんだろうけど…うーん…。ロジカルな文章の裏にある考えみたいなものがもっと見たかったな。あれ以上特にないんかもしれんけど。会田作品はもっとちゃんと観たいな。

■批評誌「ゲンロン0 観光客の哲学」

ついに紙版のゲンロンに手を出してしまった…。実は読み始めたのは1ヵ月くらい前だったんだけど途中別の本読んだり寝かせてたりしてだいぶ時間がかかってしまった…。とはいえ哲学とか思想を扱う本としてはすごく読みやすい文章だと思う。そして何より「観光客」というテーマがちょうど自分にヒットした。村人でもなく、旅人でもなく、観光客。ナショナリズムとグローバリズムの間をふらふらしているような、観光客。なんとなく否定的な文脈で使われがちな、観光客。随所で引用されている先人たちの著作はほとんど読んでないけどエッセンスは汲み取ったと思う。いい読書体験だった。この本が定義する観光客に則る感じにはならないけど、昨年からのインド、ネパール、スリランカの旅写真を同様のキーワード「観光客」を使ってまとめてみたいと思う。まとめんかもしれんけど。でもこのままゲンロンシリーズに手をつけていくと沼にはまりそうやな…。

■映画「ONOHORO」

カンパニー松尾監督ドキュメンタリーその1。アイドルユニットおやすみホログラムを被写体にした写真集の撮影風景を記録する、っていう体で結局写真家の小野麻早氏ばっかりをフォーカスしてる変な構成のやつ。尺が短いっていうのもあるけど物足りなさは否めないな…枠組みだけ先にあってつくってみたけど中身が伴わなかった、的な印象だな。カットされたという撮影後の車内シーンがあれば印象が違ったのか。

■映画「そこにすわろうとおもうメイキング」

カンパニー松尾監督ドキュメンタリーその2。大橋仁の写真集の撮影風景。とは言っても普通の写真集ではなく、ざっくり言うと300人以上が全裸で絡み合う様子を撮ったもの。現場はほぼAVの現場。もしくはサバンナの動物たち。実はちょうどこの写真集も持ってるので裏はこうだったのか、という感じ。写真集では特定の個人についての印象はなかったけど、こうしてみると花岡じった氏がすごく目立ってたな…。あと黒田氏も。やっぱAV男優ってほんと一握りしか活躍してないんだな…。(物理的に)重くて読むのも気合を要する写真集だけど近いうちに読み返してみよう。

■映画「YOGA」

カンパニー松尾監督ドキュメンタリーその3。AVだけど絡みシーンをばっさりカットしているのか、ほぼインド紀行。SEXよりカレー喰ってる時間の方が長いくらい。おそらくこの作品はその後の松尾隊長の生き方の変化とかを知ってはじめて面白さがわかるんやろうな。自分にはちょっと淡々としてて退屈だったし、それを無理やり最後になんかそれっぽく人生に結びつけようとしてる感じがした。あんまり大きな出来事とかもないから…半分の尺でもよかったのかも…。バイクにハネられたけどすぐ走り去るオッサンはたくましかったけど。

■ドラマ「グッド・プレイス シーズン1」

NetflixのSFコメディ?ドラマ。死んだ後「いいところ」にきたけど、実は「わるいところ」に行くはずだった女性を中心としたドタバタ劇。以前1話だけ見て放置してたんだけどあらためて見直すとすごくいい!1話22分で見やすいし皮肉の効いた会話がいちいち面白いし死後の世界っていう設定もいいし「いい」とか「わるい」とかの胡散臭い価値観が中心にあって人類の風刺っていうかなんていうか全部いい。ジャネットのキャラもいい。これまで見たNetflixのドラマの中でもベスト3に入りそう。まだシーズン1見終わったところだからこの先どうなるのかはわからんけど。話が進むごとに世界がゴロゴロと塊魂みたいに巨大化しながらメタ化しながら進むのも飽きさせなくていい。

なんとなく最後にyoutubeの音楽紹介する流れになってるから今月も貼る。最近は…というか結局いつも色々聞いて豊田道倫に戻ってくる。俺もMT信者になっちまったのか。ここ5〜6年くらいは特にそういう傾向。だいぶ昔の曲だけどこれはやっぱ彼の象徴的な曲よね。※終盤だいぶノイジーになるので注意。

9月の鑑賞記録

構想中シリーズ「ローリングシャッター東海道(仮)」より

9.11はホント辛かった。親知らずの抜歯だったんだけどホント辛かった。30分の手術が倍くらいには感じたし、麻酔してるくせに痛くて痛くて。そんなんやって大丈夫なん!?ってくらいペンチでメリメリやるくせになかなか抜けんくて何度も繰り返すし。そして手術後も痛みまくって夜眠れんかったり夜中に目が覚めたり。歯医者では3回分くらいの痛み止め処方されたけど、結局薬局で買い足して2週間飲んでたから最初の処方量の20倍くらいは飲んだかな…。まだ冷たい水とか歯茎にしみるし、何より反対側も抜かんといかんからそれが憂鬱だ…。個人差があるらしいから一概には言えんけど結構辛かったケースもあるよ、ということだけ何かしらの検索でここにたどり着いたあなたへお伝えしておきます。覚悟せえよ。で、9月の鑑賞記録です。長いです。

■映画「君はいい子」

教育とか子育てって大変やなぁ…ってのが一番の感想。虐待系の母親がちょっとわざとらしかったかな。

■映画「トリック劇場版 ラストステージ」

そういえば中高生の時ドラマ観てたなぁ、って思って比較的最近の映画版であるこれを観てみたんだけど、なんか当時は面白く感じてた独特の安っぽさが今は肌に合わんくなった。なんやろうな、この感覚。役者はみんな好きなんやけど。

■映画「ゴッド・ファーザー part1」

3回くらい見ようと思って途中で挫折してたゴッド・ファーザーシリーズ。今回はなんとしても見終えるぞ!との覚悟で望んだら意外とすんなり見れた。ただし、特に序盤の似たような色んなおっさんがたくさん出る感じはもう誰が誰だかわからんかったわ。まぁ徐々にキーパーソンくらいはしっかりわかるようになるからいいんかもしれんけど。もう一回くらい見んとちゃんと評価できんかもしれんけど多分もう見ん。

■映画「ゴッド・ファーザー part2」

1より2の方が好きかな。時代が行ったり来たりするけど全体を通して主軸がわかりやすいし。そして他の人のレビューとかにもあるようにラストのマイケルの孤独な感じはすごくいいね。あのシーンを見せるための3時間やな。

■映画「ゴッド・ファーザー part3」

あんまり評判が良くない3。たしかにパッとせんかったな。2で完結した方が綺麗。あいかわらずおっさんがたくさん死ぬ。

■映画「12人の優しい日本人」

先月からの三谷つながりで久しぶりに見た。もっと面白いイメージだったけどまぁまぁだった。でもキャラクター全員を愛すべき感じにつくりあげるのはいいね。日本人のしょうもなさとチャーミングさがギュッと詰まってる映画。

■映画「判決、ふたつの希望」

たしか公開初日?に見に行ったやつ。いま世界中で起きてる民族間の争いとかマイノリティーの問題とか、そういうやつの縮図があった気がする。「寛容さが〜」とかよくいうけど当事者になったらかなり難しいよね…。とりあえずパレスチナ難民の基本的な知識くらいは知っとかんといかんな…。

■映画「40歳の童貞男」

気軽に見ようと思って気軽に見れた。まぁまぁ面白かった。最近の映画だと思ってたけど14年も前のやつなんやね。

■映画「あなた、その川をわたらないで」

韓国版「人生フルーツ」、といったところか。撮る側と被写体でどのくらいの演出的なやりとりがあったのかはわからんけどひとつひとつのシーンがよかったなぁ。もし被写体が若いカップルやったら怒りしか沸かんかもしれんけど、シワシワの老人は何やっても無敵やわ。枯葉とか雪とかで無邪気にじゃれ合う様子がいいね。そのシーンがあるからこそジイさんの死がより切なくなって。良い映画だった。

■映画「覗くモーテル」

「なんか期待とちょっと違いました」みたいなレビューが多いから逆に気になって見たんだけど、たしかにわかりにくいシチュエーションかも。「拾ったものはボクのもの」に近いものを感じたけどそれほど面白くなかった。

■映画「人生タクシー」

以前映画館で見たけどNetflixに来てたので再鑑賞。やっぱ面白い設定やね。まずいことは子どもに言わせる。よく考えたらひどい話やな。

■映画「愛しのアイリーン」

こちらも公開初日か2日目くらいに映画館で鑑賞。しばらく前に漫画読んでたから、それとの比較になっちゃう部分もあるかもしれんけど、壮絶なドロドロ感はよくできてたと思う。漫画版には漫画だからこその魅力もあると思うけど、映画ではアイリーン役のナッツ・シトイが生身の魅力でそれを覆してた。まぁ、そもそもけっこう無理のある話やけどな。あ、でも途中のキスシーンは感動的でよかったな。

■映画「双子物語」

生き別れになってた双子がネット上の情報を元に実際に再会するドキュメンタリー。愛嬌があって魅力的な双子だけど再会以上のドラマがなく、後半はちょっと退屈だったかな。現実に則したドキュメンタリーだからこその退屈さなのか。

■恋愛リアリティーショー「ラブアース」

基本的には映画とかの鑑賞記録にしようと思ってたけどこれは面白かったので。ラブとか言っときながら全然恋の気配がなく、ただただ面倒くさいキャラの2人が周りの人間を振り回す旅番組。地上波では途中でお蔵入りした、っていうのがなんとなくわかる。(今回はabemaで改めて放送してた)

■ドキュメンタリー「名器完成 天川涼羽 AVデビュー」

イベントでの鑑賞。カテゴリ的にはAV鑑賞会なのか?たぶん以前も参加したことのある「バクシーシ山下の社会科見学」として彼が監督した面白いAVをみんなで見るイベント。女性器の整形により名器を手に入れようとする女優とその周りの男たちの話。エロいシーンの大半はカットされてて、SEX前後の人間模様が中心に描かれている。人の良さがにじみ出てる男優とか、おんなじこと何回も言っちゃうおっさんがいい味出してた。バクシーシ作品にしてはすごくポップな印象。明るく楽しく人間観察。

■トキュメンタリー「さよならテレビ(東海テレビ)」

ドキュメンタリー制作には定評のある東海テレビの作品。テレビ側の人間がテレビ側の人間たちを撮る、という面白いコンセプトなんだけど、ゴタゴタしたおっさんの争いとか、ダメな新人とかがちゃんと映ってるのは良かった。ツイッターの反響とか見ると否定的な意見も多いみたいだけど個人的には楽しめた。ただ、まだまだテレビ的な幕で覆い隠されているような印象もあるからもっとひっぺがせたら面白いと思う。末端のスタッフじゃなくて上層部の失言とか。でもテレビ放送っていう枠にいる限りはクリティカルなものは放送できんのやろうね。もやもやするね。

■ドキュメンタリー「ホストである前に人間やろ(ザ・ノンフィクション)」

なんとなくyoutubeに落ちてたので鑑賞したシリーズ。熱い青春的な昔の話もいいけど、ラストの転落があってこそ締まる物語やね。さらに現状をネットで検索すると情報商材とかやってるみたいで色々考えさせられる。

■ドキュメンタリー「転がる魂 内田裕也(ザ・ノンフィクション)」

希林さん亡くなるちょっと前に放送されたやつを、亡くなったあとに鑑賞。やっぱ裕也の存在無しには希林は語れん、ってくらいでかい重しなんやね。「ロックは死なない」なんて言葉はもう死語になりつつあるかもしれんけど、この人の「ロケンロール!」はそれとは別世界にある気がする。そして裕也の死とともに消えてしまいそう。それでいい。死んでもいいのがロケンロール。政見放送もロケンロールだった。

■ドキュメンタリー「お母さん、隠しててゴメン(ザ・ノンフィクション)」

元AV女優、現舞台女優・Vシネ女優のしじみが主役。以前映画に出てたから知ってたんだけど、今はなかなかタイトな暮らししてるんやね。twitter上では「幸せな家族像を押し付けられてる感じの編集になっててよくない」みたいな声が多くあったけどこの題材ならこうなっても仕方ないような…。本人が「編集チェックさせてもらえなかったからどうなってるかわからないけど」と放送前にツイートしてたけど、ドキュメンタリーとかルポルタージュと本人確認の問題って非常にデリケートよね…。でもこの映像で「家族と和解して舞台やVシネでがんばる!」的な流れになってたのに最近AV再デビューしたとか…それもひっくるめて考えるとまた興味深い。そこまで触れられてたらもっと衝撃的なドキュメンタリーになってただろうな。

■漫画「コジコジ」

最初はちびまる子ちゃんをちゃんと読もうと思って読んでたんだけど、ある程度来たところでペースが落ちてきて、結局コジコジに切り替えたらこっちの方が自分にはしっくりきた。ちびまる子ちゃんの枠組みの中では描けないけどさくらももこが描きたかったこと、みたいなのがにじみ出てた気がする。メタ的な表現も多かったりね。かめ吉くんがお気に入りキャラ。

■批評誌「アーギュメンツ#3」

ようやく最終巻である3を読み終えた。1や2よりもだいぶボリュームがあって苦労した…。あいかわらずわけわからんのはわからんけど断片的に触れられる思考は面白いものがたくさんあった。とっつきやすさっていう意味ではJホラー批評がすんなり受け入れられたかな。歴史が浅いジャンルは批評的な観点でも入りやすいのかも。最後に入ってた短編小説も面白かった。最近こういうの読んでないなぁ。アーギュメンツ自体はこれでいったん終わりらしいけど何かの入り口にはなった気がする。なんの入り口だったのかは1年くらいしないとわからんと思うけど。

■小説「私たちは大人になれなかった」

「夫のちんぽがはいらない」とか「死にたい夜にかぎって」みたいな現代的な私小説。読みやすくてするっと読めたし期待していた感じの読後感は得られた。ただ、想像の域は出なかった。たまに箸休め的に読むのにちょうどいい作品。

■トークショー「鈴木薫×黒瀬陽平」@エビスアートラボ

近所でやってたので、鈴木氏の個展開催に付随するトークイベントに行ってきた。たまたま前日くらいにtwitterで見かけて行ったので作品に対する事前情報とか全然知らなかったんだけど、トークだけでも行く価値があったと思う。よくtwitterで見かける黒瀬氏の活動や思考など、とてもしっくりくるものが多かった。「文脈」って言葉自体になんとなくアレルギーがあったんだけど少し緩和した気がする。あとはアートマーケットへの胡散臭さに対する見解とか。「表現の自由」と「鑑賞の自由」とか。アーティストは”問い”を示すのか、”仮説としての答え”まで示すのか、といった話はカオスラウンジ新芸術祭の活動とともに語られることでかなりクリアにもなった。あとでネットで見たカオスラウンジ宣言にあった”アートに神秘性などない。人間の知性も感性も内面も、すべては工学的に記述可能である。”っていう意味の片鱗に触れられたように思う(ここだけ引用するのも乱暴だけど)。ただし、今回の作者である鈴木氏の声が致命的なまでに小さくて、ほぼ声は聞き取れなかった。作品もトーク後に見たんだけどあまりピンとこなかった。もっとじっくり腰を据えて見たかったな。

■トークショー「 さやわか × 黒瀬陽平 × 東浩紀 ゲームとアートは出会うのか」

『ゲンロン8 ゲームの時代』刊行記念イベントとして開催されてたトークショーをニコ生で閲覧。ゲームといいつつメディアアート全般に対する分析があり、非常に興味深かった。おそらく「アート」という言葉については彼らが話しているものと自分が認識しているものとで若干乖離があったような気がするんだけど、その差に近いものがちょっと見えてきた気がする。以前ネットで見たゲームアートについての記事も触れられていて、自分の興味の対象が少しずつ繋がっていく感じがした。あと、八谷和彦が肯定的に語られていたのはなんか意外だった。

■トークショー「黒瀬陽平×さやわか×松下哲也 ゲーム、美術、キャラクター!」

そしてさらにもう1本ニコ生で閲覧。前回みたやつより、より(ビデオ)ゲーム寄りな話題が多く、自分にとっては馴染みのない固有名詞も多かったけど、相変わらず断片断片では興味深いものがたくさんあった。内容もさることながらこうして語る場があること、それに反発する人がいることなど、カルチャーに対するさまざまな価値観って面白いな、って改めて思った。しきりに「俺たちはちゃんとゲームやってる!その上で語ってる!」的なこと言ってて、その向こうにいるクレーマーが想像できた…。

■哲学エッセイ?「弱いつながり 検索ワードを探す旅(東 浩紀)」

ゲンロンカフェからのつながりで東浩紀の一番読みやすそうなやつを買ってみた。ちょうど「旅」は自分が写真を撮ったりするうえでのキーワードでもあるし、それを現代的な立場から語っているのはすごくしっくりきた。「観光客」なんてフレーズもまさに自分の立場にぴったりだからな。ただ、ここで語られる「生活にいかにノイズを入れるか」みたいなこと「旅」と「インターネット」の関係はちょっと強引に単純化しすぎているようにも思った。

■写真展「A=A A≠A(mountain) (ヒガシジユウイチロウ)」@KOBE 819 GALLERY

たまたま神戸に行く用事があったんだけど、その前日くらいにtwitterで知ってタイミングも場所も良かったので行ってみた。ある写真を2000回コピーするとそれはどんな価値を持つか、みたいな作品。いい意味でモヤモヤする展示だった。あとでトークショーの様子がネットに上がってたのでそれも見たんだけど結局モヤモヤが残った。たぶんそれは作者の意図通りなんだろうけど。ただし、ここで一番のキーワードになっている「コピー」という概念が「スキャニング」と「プリント」という機械に依存したプロセスで行われる限り、その性能とかについてもっと言及されてもいい気がする。結局はコピー機の汚れみたいなものが増幅されてるだけじゃないの?って思っちゃうと思考ゲームが正常に成り立たんし。また別の場でも見てみたいな。

■サイエンスエッセイ?「生物と無生物のあいだ(福岡 伸一)」

最近読んだ誰かのインタビュー記事で触れられてて興味を持ったので買ってみた。何をもって生命を定義するのか、をDNAの自己複製などの観点から考える本なんだけど、単純に事実が語られるだけでなく、そこに携わる研究者を軸に紹介されるのでひとつひとつの発見が感動的。内容もそうだけど科学者に対する敬意が増す本だった。物理学部に進みたいと思っていた時期があったことを思い出した。本の中で引用されていた「生命現象は神秘ではない。生命現象はことごとく、そしてあますところなく物理と化学の言葉だけで説明しうるはずである。」っていうシュレディンガーの言葉は、一見冷たいけれど科学者的な夢がギュッと詰まった素敵な言葉だなぁ、と思う。そしてちょっと上で書いてるカオスラウンジ宣言の一文に笑えるくらいに似てる。たぶんこういう考えが自分は好きなんだろうな。

■写真集「White Night (Feng Li)」

最近グッと注目度が上がってるFeng Liの写真集。ストロボ撮影で切り取られた中国の”濃い部分”がたくさん詰まった本。深みはないのかもしれないけどこれは表面的な世界を楽しむものとして楽しめばいいんだと思う。別の作品でファッション系の写真を撮ってたけど、ファッション系とたしかに相性良さそう。ただし装丁の質が悪く、表面のPP加工が剥がれたり背表紙の糊付けが甘かったりしてよくなかった。よくないぞ!

ということで以前より長めにお送りしました。パパパっとした印象で書いちゃってるから文章にはあらわれてないかもしれないけれど、9月はなかなか実りのある月だったと思う。逆に外出することは減ったな。太らんようにせんとな。最後に、最近何かで見つけた素敵なバンドの映像をひとつ。ボーカルが日本人で、メンバーはかなり多国籍みたい。2018年っぽいバンドやね。(